今回もビジネスのSNSマーケティングで知っておくべきことの続きです。

個人でSNSをやっている方も多いと思いますが、ビジネスのSNSは個人のSNSと勝手が違ってきます。

ビジネスのSNSだからこそやっておいた方がいいこと、逆にビジネスのSNSだからこそしてはいけないことがありますので、企業でSNSを担当している方の参考になれば幸いです。

5、SNSマーケティング戦略を練っておく

SNSマーケティング戦略を持たずに始めてしまうと、どんなことを投稿すればいいか明確にならなかったり、投稿のネタ探しが必要になったり、一貫性がなくなってぶれた運営に陥りやすくなります。

そういったことを防ぐために、SNSマーケティング戦略を練っておくと、より効果的なSNSマーケティングをしやすくなります。

始める前から全てを想定できる訳ではなく、やってみないとわからないこともありますが、少なくても以下の2つを考えておくと、良いかと思います。

  1. どういう投稿が最適か?(目的やターゲット層などを考慮して)
  2. その投稿は継続可能か?(ネタ切れにならないか?)

どういう投稿が最適か?

「どういう投稿が最適か?」は、SNSマーケティングをする目的やターゲット層などによって変わってきますが、事前にこれを考えておくと、メッセージに一貫性が出て説得力が増したり、方向性がずれるのを防ぐことができます。

「どういう投稿が最適か?」というと一見単純そうに見えますが、「どこまで深い情報を出すか?」や「初級・中級・上級のどこに向けるか?」「フォロワー・閲覧者との距離感」など、様々な要因を複合的に考えなくてはならず、それによってフォローしてくれる人も変わってくるので、かなり複雑です(この辺りは通常のマーケティングと同じです)

例えば、深い情報まで公開すると情報の価値が高くなるので、人を集めやすくなりますが、ビジネスに悪影響が出る場合があります(例えばケンタッキー・フライド・チキンの秘伝のレシピを公開したら、来店数が減ってしまうのは容易に想像できると思います)

他にも初級・中級・上級、どの層に向けてどのように伝えるかによって、どういう人が集まるかが変わってきます(あまり「客層」という言葉は好きではありませんが、客層が変わると置き換えた方がわかりやすいかもしれません)

SNSでは「初心者向けに簡潔でわかりやすい断言」がバズりやすい傾向があって、それで初心者の方は興味を持ってもらえるかもしれませんが、中級・上級の方が見たら「そんなに単純なものではない」と思って、中級・上級の方は離れてしまいます。

例えば「最強のSNSマーケティングのやり方はこれ」みたいなタイトルだと興味を引いて、初心者だったら「このやり方が正解なのか」と思うかもしれませんが、中級・上級者が見たら「それ以外の方法もある」「会社によって合わない会社もある」とわかるので、浅いと思われてしまいます。

初心者向けの商品やサービスを提供しているなら前者、質の高い商品・サービスを提供しているなら後者といった感じで分けたり、初心者向けはライバルが多くなりやすいので、初心者向けを扱っていてライバルとの差別化のために後者を選択するという戦略もありますので、自社のビジネスモデルやマーケティング戦略に合わせて最適なSNSマーケティング戦略にするのが良いかと思います。

詳しく書くと長くなってしまうので、とにかくどういうSNSマーケティング戦略が良いのかは一概に言えず、企業によって異なりますので、自社にとって最適な戦略にすることが大切です。

この部分については複雑で深く、考えれば考えるほどキリがなくなってしまうので、できる限りでいいと思います。

その投稿は継続可能か?

「その投稿は継続可能か?」については、SNSだけでなくブログでも「ネタが切れる」ということがあって、ネタを探すための時間が必要になって、ネタを探すための労力が必要になったり、ネタを考えるのが大変になって、投稿しなくなるというのはよくあることです。

そのため、継続的に投稿できる内容を事前に想定しておくと、運営を始めた後が楽になります。

ネタがなく、それでもフォロワーを増やすために意味のない投稿を続けてしまうと、次の「フォロワーが減ることもある」ということに繋がりますので注意が必要です。

6、フォロワー数は増えるだけではなく、減ることもある

SNSのフォロワーは増えていくだけでなく、当然ですが離れていく(フォロワー)が減るということもあります。

フォローをすると、フォローしたアカウントの投稿が自身のタイムライン(TL)に表示されます。

例えば、タイムラインに興味のない投稿をしているアカウントがあると、そのアカウントの投稿が表示されないようにフォローを外します。

SNSを使っている人からすると、会社のPRばかりしてるアカウントは広告と同じですので、そういうアカウントはフォロー数が増えにくく、フォローされたとしても離れやすくなります。

そのため、フォロワーが増えていくような運営をするのも大切ですが、それと同時にフォロワーが減らないような運営をするということも大切です。

7、フォロワー数は予測できない

以前SNSに関するご相談で「半年後にフォロワーをどれくらい増やせますか?」と質問をされましたのですが、私は「わかりません」とお答えしました。

企業からすれば、半年後や1年後にどれくらいフォロワー数を増やせるか目安があれば予算をかけやすくなると思うのですが、投稿する内容や投稿頻度、投稿する人のスキルやノウハウによって、どれくらいフォロワーが増えるか変わってきます。

さらに、SNSのアルゴリズム、その時その時のトレンド、業界の注目度、インプレッション(閲覧)数やいいねが増えてもフォローまでしてもらえないこともあるなど、不確定要素が多く、予測の精度が低くなります。

良い投稿をしていてもなかなかフォロワーが増えないこともあれば、なにかのきっかけでバズったり、またフォロワー数の多いアカウントから紹介されて、一気にフォロワー数が増えることもあります。

フォローしてくれる方が増えても、少ししたらフォローを外されるような運営をしていたら、フォロワー数はなかなか増えないですし、同じような投稿をしていてもフォロワー数が増えるアカウントと増えないアカウントがあるなど、いろいろな要因があって、やってみないとどれくらいフォロワーが増えるのかわかりませんので、フォロワー数を予測するのはあまり意味がないと思います。

8、文章でも人柄や空気感が伝わる

WEBで見たら無機質なテキストのはずなのに、なんとなく人柄やどんな感じの人かイメージが伝わって、共感したり納得するということがあります。

燃え殻さんという方がいて、当時テレビ制作会社のサラリーマンで、旧twitterで140文字以内という限られた文字数で、日常の出来事や感じたこと、愚痴などを投稿していると、燃え殻さんの感性や人柄が多くの人の共感を呼んでフォロワー数が増え、やがてあの著名なコピーライターの糸井重里さんの目に留まり、小説家デビューをして、その小説が映画化・ドラマ化までされました(『ボクたちはみんな大人になれなかった』という本です)

それも元はテレビ制作会社のサラリーマンが書いた140文字以内という限られた文字数の短い文章からです。

現在経済ジャーナリストをされている後藤達也さんも日経新聞記者だった時に旧twitterで投資家に寄り添った投稿をしていて、経済についてのメディアがたくさんあって、経済について投稿してる人もたくさんいる中、記者としては異例の37万人以上のフォロワーを集めました(日経新聞の記者としてのアカウントだったため、現在はそのアカウントを閉鎖し、現在のアカウントのフォロワー数は72万5千人以上になっています)

それもSNSを見ている人に後藤さんの人柄が伝わったからだと思います。

少し脱線しますが、ハルリではホームページを制作する際に、お客様の手間が増えてしまいますが、お客様にテキストを書いていただくことを推奨しています。

その理由は、お客様にテキストを書いていただくことで、ホームページをご覧になった方に、よりお客様の会社がどういう会社なのか知っていただくために会社の人柄を感じていただいたり、人柄や考え、思いに共感していただけると良いと思うからです。

テキストを社外の人に作ってもらって、なにも感じない当たり障りのない文章になってしまうのはもったいないので、できれば自分の会社のホームページは自分達で作った方がいいです。

文章を書くのに慣れていないお客様もいらっしゃるので、どういう内容にするかのアドバイスや「こういう文章はどうですか?」といった形で文章の例を出したり、テキストを作るサポートを行っています。

あとがき

この記事を書いて、気付けば3,600文字を超えていました。

長くなってしまうと読むのがたいへんになってしまいますし、書いている私もブログを書くのがたいへんになって、次の記事を書くのを躊躇するようになってしまうので、いつも書いている時はできるだけ短くすることを心掛けているのですが、少しでもわかりやすく、少しでもわかりやすくと肉付けしていくうちに、また長くなってしまいました。

SNSマーケティングのコンサルティングも行ってますので、SNSマーケティングでお悩みの企業様がいらっしゃったら、ぜひご相談してください。

次回は、最悪の条件で1年間Xを運営した検証結果の発表です。

SNSを運営するにあたって、企業によって「あれができない」「これができない」ということがいろいろ出てくると思います。

そういった様々な制約があっても、どれくらいの効果が出るのか検証するために、できるだけ条件を悪くして運営しました。

「最悪の条件でも、やり方によってはこれくらいフォロワーやインプレッション(閲覧)数を増やせる」という参考にしていただけたらと思います。