『ビジネスのSNSマーケティングで知っておくべきことと、どんな企業でもやりやすいSNSマーケティングを1年間やってみた検証結果を公開』の最終回です。

ビジネスでSNSマーケティングをする際に、企業によって「あれができない」「これができない」といったいろいろな制約が出てくるかと思います

知名度があったり、影響力があるなど、SNSマーケティングをするのに有利な環境が整っていたら、SNSマーケティングがやりやすくなりますが、有利な環境が整っている企業は極一部だと思います。

SNSマーケティングに有利な環境で検証しても再現性が低く、ほとんどの企業にとって参考にならなくなってしまうので、再現性が高く多くの人の参考になるように、今回はできるだけ条件を悪くして、SNSマーケティング戦略の要素だけで、どこまで効果が出るのかを検証しました。

水曜日のダウンタウン風に言うと、「SNSマーケティング戦略がしっかりしていれば、どんなに条件悪くてもそこそこいける説」です。

検証の条件(できるだけ条件が悪くなるように)

繰り返しになりますが、検証をする上で恵まれた条件にすると、企業によってできないこともあるので、再現性が低くなってしまうため、再現性を高くするためにSNSマーケティング戦略をしっかり立てて、それ以外の条件はできるだけ悪くしました。

これならどんな企業でもやりやすいと思います。

検証を行うSNSはX

検証を行うSNSは、一番利用者数が多く、一番利用者層が偏っていないと思われるXにしました(利用者層が偏っているSNSで検証すると、業種によって参考にならなくなってしまうため)

ちなみに、アカウントを作成する際に、電話番号も登録しておくと、スパムアカウントだと誤解されにくくなりますが、より条件を悪くするために電話番号登録もしていません。

無料会員で(有料会員を使わない)

Xでは有料会員になると、認証マークが付いて、より多くの人に投稿を見てもらえるようになります。

一番安いプランだと年額4千円くらい、真ん中のプランでも年額1万円ちょっとで、SNSマーケティングをするなら有料会員になった方がいいですが、それでも料金が掛かるのとできるだけ条件を悪くしてどこまで効果があるのか検証したかったので、有料会員は使いませんでした。

知名度ゼロ

知名度がある企業だと、知名度でフォロワーが付きます。

また、企業だと取引先や業界の会社・人がフォローしてくれたり、SNSアカウントを紹介してくれることもあります。

しかし、知名度が低く、知名度の恩恵が少ない企業もあるので、今回は知名度の影響が出ないように、新規に立ち上げたアカウントで検証しました。

SNSのノウハウが必要ないように

SNSの運営のノウハウを持っていて、バズりやすい・フォローされやすい投稿ができた方がもちろんいいのですが、企業によってはSNSの運営ノウハウがなかったり、そういう人材をSNS担当者にできない場合もありますので、企業にSNSの運営ノウハウがなくても、どんな人がSNS担当者になってもできるように、投稿のテンプレートを作り、毎日テンプレートを若干修正するだけで投稿できるようにしました。

※より良くなるように1年間の間にテンプレートの微修正を何度か行いました。

検証をしている中で、テンプレート化して毎日同じような投稿なので、bot(自動的に投稿するシステム)だと思った人もいました。

また、テンプレートで事務的な投稿なので、人柄に共感したり、親近感を感じてフォローしてくれるということもないため、より条件が悪くなっています。

外部サイトに誘導

SNSを見る人にとっては、SNSから外部サイトに行くのは手間が掛かり、そこで離脱することもあるので、SNS内だけで情報が完結するようにした方が、フォロワーが増えやすくなります。

しかし、自社のホームページに来てもらった方がより多くの情報を知ってもらえたり、それがきっかけとなって他のページも見てもらえることもあるので、ビジネスのSNSの場合、フォロワーは増えにくいですが、SNSから外部サイト(自社のホームページ)に誘導した方がビジネスに繋がりやすくなるので、SNSではブログの更新情報の投稿をするだけにしました(外部サイトに誘導)

SNSの運営に時間をかけない

企業によってはSNSに時間を割けない場合もあります。

どのような投稿にするか内容を考えたり、わかりやすくするために文章の構成を考えたりと意外と時間が掛かるので、ブログの投稿内容もテンプレート化しました。

SNS・ブログの投稿をテンプレート化することで、ノウハウが必要なくなるだけでなく、時間を短縮するメリットもあります。

これでブログ投稿からSNS投稿が完了するまでに掛かる時間は、1日1時間以内になりました。

今回SNSマーケティングの検証で、投稿をテンプレート化したことが一番重要なSNSマーケティング戦略の部分です。

ただし、なんでもテンプレート化すればいいというものではなく、「SNSを見ている人が興味があるもので、かつネタが切れず持続性があるテーマを選ぶ」ということと「考えられていないテンプレートだと効果が低くなるので、効果のことも考えたテンプレートを作る」ということも必要になってくるので、参考にされる際はご注意ください。

サムネイル画像を毎回作らない

毎回投稿に合ったサムネイル画像を作った方がいいですが、画像を作成するためのスキルと時間が毎回必要になってくるので、最初に作ったサムネイル画像を使いまわして、画像を作成しないで済むようにしました。

SNSマーケティングをした1年間の検証結果

それでは、別名「SNSマーケティング戦略がしっかりしていれば、どんなに条件悪くてもそこそこいける説」の検証結果です。

検証期間

Xのアカウントを作成して、SNSマーケティングの検証を開始したのは下の画像の通り2023年9月です。

XでSNSマーケティングの検証を開始した時期

そこから1年間休まず投稿をして検証しました。

先述した通り、Xのアカウントは課金をせず、無料アカウントで検証しています。

SNSマーケティング開始から1年後のフォロワー数

1年以上経過しましたが、当時のスクリーンショットを取り忘れていたので画像はないですが、SNSのテストマーケティングを開始して1年後のフォロワー数は約500です。

中小企業のXのフォロワー数は数百~数千がほとんどだと思いますので、1年間でフォロワー数が500になったのはまずまずの結果だと思います。

最初はなかなかフォロワー数が伸びませんでしたが、徐々に増えていき、フォローを外されることも少なかった(フォロワーが減らないような投稿になるような戦略にしていました)ので、順調にフォロワー数が増えていきました。

それからも投稿を続けていますが、その後も順調にフォロワー数は増え続け、約1年2ヶ月経った2024年11月20日現在のフォロワー数は、下の画像の通り559まで増えました。

SNSマーケティング開始から1年後の一ヶ月のインプレッション(閲覧)数

SNSのテストマーケティングを開始して1年経った後の1ヶ月(2024年10月)のインプレッション数は約4万で、こちらもまずまずの結果かなと思います。

インプレッション数も、始めは少なかったですが、月日と共に徐々に増えていて、2024年10月は約4万でしたが、今月(2024年11月)は5万程度になりそうです。

下の画像は11月20日のインプレッション数です。

SNSマーケティング開始から1年後の一ヶ月のサイト訪問数

実際にビジネスでSNSマーケティングをする際に、Xから自社のホームページに誘導することを想定して、今回の検証でも外部サイトに誘導する形にしていました。

Xのフォロワー数やインプレッション数が増えても、自社のホームページに誘導できなければ意味がないので、SNSマーケティング開始から1年経った後の1ヶ月(2024年10月)でどれくらいXからホームページに来たのかも計測しました。

結果は約530ユーザーからアクセスがあって、PV(ページビュー)は約3,400で、良く言えば同じユーザーが何度も訪問してるので、ファンを獲得していると言えますが、フォロワー数と同じくらいの人数しかホームページに訪問してなく、1ユーザーあたり6ページ弱しか見ていないので、数字的には思っていたよりも少なかった印象です。

今回のSNSマーケティングの検証結果の感想

できるだけ条件を悪くしたSNSマーケティングを1年間やってみた感想です。

悪い条件でも、思っていた以上にフォロワーを獲得できた

知名度がない新規アカウントで、テンプレート投稿、いつも同じサムネイル画像、運営に時間を掛けないなど、できるだけ条件を悪くして検証しましたが、1年間で約500フォロワーまで増え、思っていた以上にフォロワーを獲得することができました。

条件が悪くてもフォロワーが増えるように、情報発信の内容、他のアカウントとの差別化など、様々なことを考えてSNSマーケティング戦略を考えておいたことが大きかったと思います。

テンプレート投稿してるアカウントでも育つ

今回の検証では、検証開始から右肩上がりでフォロワー数が増えていき、テンプレートで毎回同じような投稿をしていても、SNSアカウントを育てることができるのがわかりました。

SNSマーケティングで、「フォロワーを増やす」ということも大事ですが、それと同時に「フォロワーが減るようなことをしない」ということも大切です。

この両方をやっていれば、SNSアカウントを育てることができます。

たくさん伸びしろがある

今回の検証は再現性が高くなるように、わざとできるだけ条件を悪くして検証しましたが、実際にSNSを運営する時は、これほど条件が悪くないですし、戦術面でのテクニックを使うなど、有効な施策を行うことができますので、まだまだフォロワー数を増やせたかと思います。

あとがき

いかがでしたでしょうか。

SNSマーケティングについては、今回初めての記事だったと思います。

SNSマーケティングにお悩みの企業様やこれからSNSマーケティングを始めたいと考えている企業様の参考になれば幸いです。

今回検証したアカウントは、このまま条件が悪いまま運営していくか、積極的にフォロワーを増やす施策を行って、どこまでインプレッション数やフォロワーを増やせるか検証するか、どちらにするか現在検討中です。

またなにかこのブログを読んでくださっている方の参考になりそうなことがあれば、記事を書こうと思っています。

ハルリでは、SNSのコンサルティングも行っていますので、SNSマーケティングにお悩みの企業様がいらっしゃれば、お気軽にご相談していただけると幸いです。

また、SNSだけでなく、広告出稿・SEO対策なども含めた総合的なWEBマーケティングのコンサルティングも行っておりますので、こちらもご興味がある企業様がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。