WEBに限らずマーケティングはいろいろなやり方がありますし、会社によって価値観・考え方・求めるターゲット層が違うので、「A社にとっては最適だけどB社にとっては最適ではない」ということが多く、読む人によって有益な情報になったり、間違った情報になってしまうので、多くの方に向けて発信するブログでマーケティングの記事は書きにくく、今までマーケティングに関しての記事をなかなか書けませんでした。

ネットニュースを見ていたら、このようなニュースを見つけたので、今回は新聞社を題材にしてWEBのビジネスモデルやマーケティングについて書きたいと思います。

1年で200万部減「新聞離れ」は止まらず 「一般紙」は15年後に消える勢い

日本新聞協会がこのほど公表した最新データで、一般紙の総発行部数が3000万部を大きく割り込み、2800万部台まで落ち込んだことが明らかになった…

今回の内容は、このブログを読んでくださっている方のビジネスにそのまま応用できるという内容ではありませんが、一つのことにフォーカスするのではなく、新聞社をモデルに自社や競合それぞれのビジネスモデル・強み・弱みなどを知り、総合的に考えることで、ブログを読んでくださった方のビジネスチャンスを発見するヒントになったり、WEB戦略を策定する際の参考になれば幸いです。

新聞の発行部数が減ったのはニュースサイトが原因

先程の記事を読んでいただいてからこのブログを読んでいただくとよりわかりやすくなるので、お時間がある方はぜひ記事を読んでから、このブログを読んでいただければと思うのですが、新聞の発行部数が減った原因は私もインターネットの影響が大きいと思います。

Yahoo!JAPANやMSNといった様々なニュースを集めているニュースサイトで大抵の人は事足ります。

新聞に毎月お金を掛けなくても、無料のニュースサイトで事足りるのですから、新聞の必要性がなくなり、だんだん新聞を取る人が少なくなって、新聞の発行部数が減っていってしまうのは仕方がないことだと思います。

というのが、記事を読んだ私の大まかな所感です。

記事を読めば、「ニュースサイトは強くて、新聞社はこれから衰退していく」という印象で終わってしまうかもしれませんが、ここからが今回の本題になります。

新聞社とニュースサイトとではビジネスモデルが違う

そもそも、新聞社とニュースサイトは、同じようにニュースを配信していてもビジネスモデルが全く違います。

新聞社のビジネスモデルは、購読していただいているお客様からの毎月の購読料で収益を上げているサブスクリプションモデルです(広告収入もあると思いますが、わかりやすくするために購読料のみにしています)

一方、ニュースサイトのビジネスモデルは、広告収入です。

WEBで収益化する方法を大別すると、15年以上前からいくつかの種類しかなく、広告収入もその一つです。

ちなみに、以前流行ったアフィリエイトも、今流行りのYouTuberも広告収入のビジネスモデルになります。

広告収入が入るので、無料でコンテンツを提供できる訳です。

また、掲載している記事も新聞社は独自に取材した記事なのに対して、ニュースサイトは(おそらく掲載料を支払って)他のメディアが作成した記事を集めたものとなっています。

まとめると、新聞社は独自に取材した記事でサブスクリプションモデル、ニュースサイトは他のメディアが作成した記事を集めて広告収入を得ているので、同じようなことをしていてもビジネスモデルは大きく異なります。

ニュースサイトの強み・弱み・特徴・注意点

ニュースを網羅していてワンストップで済む

ニュースサイトの強みは、様々なメディアのニュースを掲載しているので、ニュースの幅が広いことです。

様々なニュースを網羅しているので、ユーザーにとってワンストップで知りたいニュースを知れるという利便性が付加価値になります。

記事を他社に依存している

他のメディアの記事を掲載しているので、記事を他社に依存してしまうことになります。

他のメディアから記事を提供してもらえなくなり、記事の量と幅が狭くなってしまうと、ユーザーの利便性が低下して、ユーザー離れに繋がってしまいます。

また、記事を提供しているメディアを見ると、テレビ局、新聞社、スポーツ紙、週刊誌、インターネットメディア(インターネットだけで記事を配信しているメディア)などで、信頼性のあるメディアからの記事の提供を受けられなくなると、信頼性が高くない記事ばかりになってしまい、ニュースサイト自体の信頼性も下がってしまいます。

「釣り」に走りやすくなる

広告収入はPV(ページビュー)に比例します。

つまり、PVが増えると収益が増えやすくなります(YouTubeの再生回数も同じ構造です)

PVを増やすために手っ取り早い方法が、わざと大げさ・誤認させるタイトルを付けて、興味を引く所謂「釣り」と呼ばれる方法です。

ニュースサイトでも、たまに釣りタイトルを付けている記事を見かけますが、釣りは基本的にユーザーを欺く行為ですので、ニュースサイトで釣りタイトルの記事ばかりになると、ニュースサイト自体の信頼性の低下に繋がってしまいます。

少し脱線しますが、冒頭でマーケティングについて「A社にとっては最適だけどB社にとっては最適ではない」と書きましたが、お笑いコンビのさらば青春の光さんのYouTubeは、この「釣り」を上手くネタにして、おもしろいコンテンツにしています(YouTube「今回のYouTuberヒカルさんの報道について東ブクロからご報告がございます」を参照)

つまり、同じことをしても悪影響があるケースもあれば、さらば青春の光さんのように好影響になるケースもあります。

このように、マーケティングはケースバイケースなので、ハルリでは個別にコンサルティングするようにしています。

掲載する記事のバランスでニュースサイトの印象が決まる

様々なニュースを掲載していても、掲載する記事のバランスや比重などで、そのニュースサイトの印象が決まります。

Yahoo!JAPANのトップページをイメージしていただくとわかりやすいと思うのですが、トップページで紹介している(意図的に目立たせている)記事に偏りがあると、そういうサイトだと認識されるようになります。

偏っている(特色がある)からこそ支持する層もいるでしょうし、偏っていない(フラットな情報)からこそ支持するという層もいるので、偏っているのが良い悪いという訳ではなく、どういうキャラクターのサイトだと認識されたいのか、運営していく上で意識することも大切です。

あとがき

いかがでしたでしょうか。

ハルリでは、WEB戦略にも関わらせていただいたお客様には、ここまでのヒアリングと想定はしてホームページを制作しています。

ホームページを制作する時に、ここまで想定しておくことで、お客様が成功する可能性が高くなりますし、同時に失敗する可能性も下げることができます。

例えば、「掲載する記事のバランスでニュースサイトの印象が決まる」だと、予めどういうサイトにするかがわかっていれば、よりお客様の目的に合ったデザインにすることができるようになります。

また、お客様がそこまでの想定をされていないケースもあるので、お客様が早い段階で対処できるように、ホームページの制作を始める前に、予めお客様に懸念材料をお伝えすることもしています。

ビジネスモデル・マーケティング戦略に合ったホームページやWEB戦略のアドバイスが欲しいというお客様はぜひハルリにご相談ください。