日々いろいろな企業のホームページを見ていると、この10年でWordPressを導入している企業が大幅に増えているように感じます。

私もホームページを制作するなら、WordPressをプラットフォームにするのが一番良いと思いますので、お客様にお勧めしています。

インターネットで情報収集する際、自分の知りたい情報を検索するので、自分の思った通りの情報に偏りやすく、人間の心理としてお客様は自分に関わることなので良い面ばかりを見ようとして、制作会社は良い面を強調して悪い面をあまり言わない傾向があって、なかなか短所は見えにくいので、今回は客観的に見たWordPressの長所と短所について書きたいと思います。

何事も良い面もあれば悪い面もありますので、事前に短所も知ることで、ホームページ制作を依頼する際に、失敗を未然に防ぐお役に立てていただけたら幸いです。

WordPressとは?

まずは、WordPressについて簡単に説明します。

WordPressがどのようなものかご存じの方はこの項は飛ばしてください。

WordPressはCMS(content management system)の一種で、世界でシェア1位のCMSです。

CMSについては、Wikipediaによると

コンテンツ管理システム

コンテンツ管理システム(コンテンツかんりシステム、英: content management system, CMS)は、ウェブコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合・体系的に管理し、配信など必要な処理を行うシステムの総称。2005年頃より一般的に普及したといわれる。コンテンツマネージメントシステムとも呼ばれる。

コンテンツ管理システム - Wikipedia

と書かれていますが、少しわかりにくいので、なにが違うのかは、従来のホームページの作り方と比較するとわかりやすいと思います。

従来のホームページの作り方(静的ホームページ)は、1ページ1ページ作っていく形なので、ページを追加する際にはHTMLやCSSといった専門知識が必要で、制作したページをサーバーにアップロードするといった作業が必要でした。

CMSは、専門知識がなくても管理画面からホームページを管理できるようにしたものです。

WordPress以外にも様々なCMSがありますが、世界で最も使われているのがWordPressです。

WordPressの長所と短所

ここから今回の本題に入ります。

まずは、WordPressの長所と短所を列挙して、その後にそれぞれの項目について説明していきます。

WordPressの長所

  1. 自分で更新ができる
  2. 専門知識がなくてもホームページを管理できる
  3. 拡張性が高く、いろいろな機能を追加できる
  4. 機能を簡単に(低料金で)追加できる
  5. 知識がなくても、少し勉強をすればホームページを作ることができる

1、自分で更新ができる

これが最も有名な長所だと思いますが、ブログと同じような使用方法で、専門知識がなくても会社の「お知らせ」や「ブログ」などの記事を社内で更新ができるようになります。

そのため、WordPressやCMSのことをわかりやすくイメージしていただきやすいように、「更新システム」と呼ばれることもあります。

2、専門知識がなくてもホームページを管理できる

記事の投稿だけでなく、画像のアップロードなども管理画面で行えるため、専門知識がなくてもホームページを管理できるようになります。

3、拡張性が高く、いろいろな機能を追加できる

拡張性が高く、いろいろな機能を追加することができ、ホームページでできることが増やすことができます。

これは、逆に従来のホームページの作り方と比較するとわかりやすいと思うのですが、従来のホームページの作り方だと、機能を追加する際にWordPressですることと同じことをすると、作業が大掛かりになり、費用が高くなります。

4、機能を簡単に(低料金で)追加できる

多くの機能が「プラグイン」という形でパッケージングされて配布されているので、簡単に機能を追加できたり、制作会社に機能の追加を依頼するにしても従来のホームページの作り方と比べて、低料金で機能を追加することができます。

また、CMSの中でシェアが1位なこともあって、プラグインも豊富です。

5、知識がなくても、少し勉強をすればホームページを作ることができる

インターネット上に初心者向けのWordPressの情報がたくさんあり、無料のテンプレート(WordPressでは「テーマ」と呼びます)も配布されているため、少し勉強をすればホームページを作ることができます。

ただし、形上はホームページができても、ちゃんとしたホームページかは別の話しなので、「どんなホームページでもいいので安くホームページを作りたい」という会社様やWordPressをいろいろと操作することでどのようなものかわかることもありますので、WordPressの勉強をしたいという会社様に良いかもしれません。

WordPressの短所

  1. より高いノウハウやスキルが必要になるので制作会社選びは重要
  2. 従来のホームページと比べて費用がかかる
  3. バグが発生する可能性がある
  4. セキュリティ対策が必要になる

1、より高いノウハウやスキルが必要になるので制作会社選びは重要

従来のホームページの作り方はHTMLとCSSという言語でしたが、WordPressはさらにPHPも必要になり、さらにシステムの設計なども必要になるので、WordPressを使ったホームページ制作は、より高いノウハウやスキルが必要になります。

ホームページ制作会社といってもピンからキリまであり、制作会社によって持っているノウハウやスキルに大きく異なります。

ノウハウがある制作会社の方が良いホームページを作ることができますし、なかにはWordPressのノウハウが十分でない制作会社もあるので、制作会社選びは重要です。

2、従来のホームページと比べて費用がかかる

WordPressは、システムを設計・実装する作業も必要になり、従来のホームページの作り方と比べて作業量が増えるため、制作費用が上がります。

ホームページを制作していて、「ここも管理画面で操作できるようにすると便利になる」とか「こういう機能も追加すると便利になる」ということがあっても予算が足りないと実装できないということもあります。

予算が足りないと無理が生じてしまい、失敗に繋がりやすくなります。

安く請け負っている制作会社もありますが、ホームページの制作は手間をかければかけるほど良くなるので、注意が必要です。

3、バグが発生する可能性がある

WordPressもシステムなので、バグが発生する可能性があります。

原因としては、プラグイン同士の競合とWordPress本体をアップデートした際に使用しているプラグインが合わなくなってしまうの2つが多いと感じます。

プラグインは便利で、WordPressの長所の一つですが、その反面バグが発生する可能性があります。

なんでもかんでもプラグインを使い、たくさんのプラグインを使ってWordPressを構築する制作会社もあります。

これだと作業量を減らすことができますし、WordPressのノウハウやスキルがそれほどなくても機能を追加できるため、制作会社としては楽なのですが、プラグインが多くなればなるほどバグが発生する可能性が高くなります。

納品時はバグが発生しなくても、アップデートを重ねていくうちに徐々にバグが発生するといったことが起こる可能性があるので、なんでもかんでもプラグインに頼るのはあまりお勧めできません。

プラグインとバグについては、WordPressで良いホームページを作るための9つのポイント⑧バグの発生確率を抑えるに書きましたので、ご興味がある方は読んでみてください。

100%バグが起こらないようにすることはできないので、①バグが起こる可能性を減らす②万が一バグが起こった時の対応策を事前に考えておく(自社で対応できない場合は、対応してくれる業者を確保しておく、そのホームページを制作した会社はどのように構築されているかわかっているので、制作した会社に依頼するのがベスト、WordPressを熟知していない制作会社だとバグの対応ができないため、制作を依頼する際の制作会社選びはそういった点でも重要です)

セキュリティ対策が必要になる

従来のホームページの作り方(静的ホームページ)はセキュリティ対策が必要ありませんでしたが、WordPressはシステムを使っているので、セキュリティ対策が必要になります。

ご相談を受けていろいろな会社様のホームページを見させていただくと、セキュリティ対策をしている企業は本当に少ないです。

セキュリティ対策の必要性を感じていない方もいるかもしれませんが、サイトが有名になると、不正ログインなどのサイバー攻撃を1日数千回以上受けるので、セキュリティ対策をしていないと被害を受けやすい状態になってしまいます。

サイバー攻撃の被害を受けると、サイトを改ざんされてしまったり、個人情報があれば個人情報が流出してしまったり、なにも変化がなくてもバックドアといって、いつでも被害を与えられる仕組みを仕込まれてしまいます。

100%破られないセキュリティはありませんが、できるだけ被害に遭わないように、しっかりセキュリティ対策をすることをお勧めします。

またバグの対応策と同じように、万が一サイバー攻撃の被害を受けてしまった時の対応策の準備までしておくと、より安全にWordPressを使えるようになるかと思います。

あとがき

いかがでしたでしょうか。

制作サイドの視点、お客様の視点、両方の視点から客観的に、そして読んでくださる方のお役に立ちそうなことを書いてみました。

WordPressを使ったホームページの制作を検討されている方、WordPressを使ったホームページを運営されている方の少しでも参考になれば幸いです。

ハルリでは、このようなことを考慮してホームページを制作しており、バグやセキュリティ対策は保守サービスにて行っております。

保守サービスでは、お客様がサイバー攻撃の被害を受けてしまう事態も想定して、サイバー攻撃を受けても復旧できる備えをしており、無償で復旧するサービスも行っておりますので、WordPressを使ったホームページの制作、そしてホームページの保守は、ぜひハルリにお任せください。