いろいろな会社のお悩みを聞いていると、WEBで新規顧客の獲得を求める会社もあれば、人材不足に悩んでいて少しでも多くの人を採用することを望んでいる会社もあれば、WEBに求めることは会社によって変わります。

また、会社によって考え方も違いますし、会社の状況、価値観、ターゲット層、優先順位など、様々なことが違います。ですから、会社によって良いホームページは変わりますので、その会社にとっての良いホームページを作るのがベストだと思います。

会社によって良いホームページは変わりますが、一つだけ共通点があります。
それは、掛け算したホームページです。

掛け算したホームページとは?

ビジネス書などで、度々「掛け算」という言葉が用いられますが、ホームページも掛け算すると、良いホームページになります。会社によって良いホームページは変わるので、掛ける要素を変えると考えていただくとイメージしやすいのではないかと思います。

例えば、新規顧客を獲得する場合だったら、まずアクセスアップとWEBマーケティングの要素が必要になります。さらに高いレベルにするためには、企業のマーケティングに根差したものにする必要があるため、WEBで完結するものではく、より広いマーケティング戦略の要素が要素が必要になります。新規顧客を獲得するのが目的の場合は、これらの要素を掛け算すると良いホームページになります。

では、人材不足に悩んでいて採用のためのホームページなら、まず採用がうまくいかない原因を見つけ出すところから始めなくてはいけません。これは社内の問題だけでなく、業界のイメージそのものが悪いという場合もあるかもしれません。会社のイメージアップや時には業界のイメージアップ、やりがい、この仕事のおもしろさなどを伝えることになると思いますが、これらを伝えるためにはWEBマーケティング、特にプロモーションの要素が必要になってきます。さらにより高いレベルにするためには経営戦略の要素も必要になってきます。また、会社のイメージアップのためには、WEBデザインの要素も必要になる場合もあります。

このように、単純にホームページを作るだけなら、ホームページ制作という要素だけでいいのですが、良いホームページとなると、経営戦略やマーケティング戦略など、WEBに関連する要素だけでなく、実際のビジネスの要素も入ってきます。

良いホームページにするための主な要素

良いホームページにする要素はたくさんあり、目的、会社の特徴・社風・状況、ターゲット層、制作するホームページなどによって、必要な要素が変わってきます。これらを全てを使うのではなく、組み合わせることが大切です。

次に挙げるのが、良いホームページにするための主な要素です。

1、会社に合っている

まずは会社に合っていることです。当たり前のことなのですが、奥が深いです。

デザインは「好き」とか「きれい」だけで考える方もいらっしゃいますが、より良いホームページにするためには、企業イメージや目的に合わせる必要があります。ホームページのキャッチコピーや文章も企業イメージや目的だけでなく、ターゲットにも合わせる必要があります。ターゲットが20代、40代、60代では、それぞれ最適な文章が変わりますし、男性か女性かによっても、表現が変わってきます。

2、WEB戦略

WEB戦略は、会社の経営戦略のWEB版だと考えるとイメージしやすいかと思います。そのためWEB戦略は広範囲に及びます。良いWEB戦略があるのが前提になりますが、WEB戦略に合ったホームページにすることで、WEBでの目的を実現する可能性が大きく変わってきます。

例えば、新規顧客を毎月10人獲得することを目的にするのなら、どのようにアクセスを集めて、どのようなプロモーションを行うかの一連のマーケティングが必要になります。また、広告費などのコストも考慮する必要があるかもしれません。これらのことを複合的に考え、それをホームページに落とし込んでいく必要があります。

3、WEBマーケティング

WEBマーケティングも奥が深いです。WEBマーケティングもWEB戦略と同じように、会社のマーケティング戦略のWEB版だと考えるとイメージしやすいと思います。会社のマーケティング戦略がオフライン(WEB以外)で行われるのに対して、WEBマーケティングはオンライン(WEB上)でのマーケティングになります。

実際のビジネスのマーケティングもそうですが、マーケティングの方法によって、売上や平均顧客単価などの表面上の数字だけでなく、集客できる客の層・質・会社のイメージ・商品のイメージ・クレーム率なども変わってきます。WEBマーケティングも実際のビジネスのマーケティングと同じように、様々なことが変わってきますので、良いWEBマーケティングをする必要があり、そのWEBマーケティングに合ったホームページにすると、良いホームページになります。

また、実際のビジネスのマーケティングの中でWEBが果たす役割や位置付けも考える必要があり、例えばユニクロのオンラインショップは、これまでオフラインで行ってきたマーケティングで築き上げたブランドの知名度やイメージを活かして、「ユニクロをすでに知っている方向けに、店舗に行かなくても購入できるようにして機会損失を防ぐ」という役割が明確になっています。ですから、すでに「ユニクロを見る」と決めてる人に向けたホームページの作りに特化しています。これが知名度があまりないブランドで、新規顧客を獲得するとなると、WEBマーケティングの方法が変わり、それに合ったWEBマーケティングが必要になります。

4、SEO対策

普通にホームページを作るだけで、検索エンジンに適した箇所が必ずあるので、どのホームページも少なからずSEO対策をやっています。ですから、SEO対策をしているホームページ同士が競争して、検索順位を競うのが今のSEO対策の現状です。そのため、ただSEO対策をすれば検索順位が上がるというものではなく、ライバルに勝るSEO対策をして、はじめて検索順位が上がります。

SEO対策のポイントは、①より高度であること②量が多いこと③正しい方法であることの3つです。

①は、単純に高度なSEO対策であれば検索順位は上がっていきます。②はSEO対策は多岐にわたり、ホームページ自体そのもの以外のものも含まれます。それらも全て含めて、SEO対策の量を多くすることで検索エンジンからの評価が上がります。③検索エンジンを欺くようなスパム的な方法やグレーな方法のSEO対策をしているホームページもあります。そのようなホームページは長い目で見ると排除されていきますから、正しい方法のSEO対策が末永く残っていくのは検索エンジンの流れですから、正しいSEO対策をするようにしましょう。

5、デザイン

「1、会社に合っている」の項目でも少し触れましたが、デザインは会社に合っていることや目的に合っていることが重要です。「きれい」「美しい」を評価の基準にしてしまうとミスマッチなデザインになってしまいます。

例えば、新規顧客の獲得を目的とするホームページの場合、文章を読んでもらい、「伝える」ことが重要になってきます。そこでデザインが美しすぎると、デザインに気を取られてしまって、あまり伝わらなくなってしまうので、デザイン性を落とす必要が出てきます。また、スクロールと連動して動きを出す機能なども、動きに気を取られてしまうので、文章を読んでもらうホームページには向かない機能です。読んでもらうことを目的としているニュースサイトが、デザイン性を特別高くしていないのはそのためです。

逆にクリエイティビティやデザイン性、美しさなどを表現する「魅せる」ことを目的としたホームページの場合は、動きを出することで、より魅力を伝えることができます。

会社のホームページなので、信用性の面から一定のデザインのクオリティは必要ですが、会社や目的なども考慮したデザインにする必要があります。

6、設計

お客様のご要望によって適切な設計が変わってきますので、きちんと設計をすることも良いホームページにするための大事な要素です。

例えば、SEO対策で複数のキーワードで上位表示を狙うなら、SEO対策で複数のキーワードで上位表示するための設計があります。他にも、自社で更新するのなら、WordpressなどのCMS(ブログのように更新ができるシステム)を導入すると便利になりますし、Wordpressを導入する際に複数の投稿者がいる場合は、さらにそれに合わせた設計が必要になってきます。また、普段どのように運営していくかによって、適切な設計も変わってきますし、長期的なビジョンで将来的にWEBをどのようにしていくかまで考えられていれば、将来に備えた設計も取り入れる必要もあります。

設計はホームページの根幹部分で、後から修正するとなると修正箇所が多くなってしまう場合がありますので、できるだけ早い段階、できれば制作・リニューアルの時に、しっかりとした設計をしておくことが良いでしょう。

7、セキュリティ

WordPressなどのCMSを導入しているホームページにとって、セキュリティは必須だと思っているのですが、セキュリティを意識していないホームページがあまりにも多いです。

特にWordpressは、少しホームページが有名になると、1日数十回は不正ログインの攻撃を受けます。万が一ログインを突破されたらどうなるか?ホームページを改ざんされたり、ウィルスを仕込まれるなどされて、ホームページを見る人に迷惑を掛けてしまうだけでなく、会社の信用が失墜してしまいます。

まさか自分の会社のホームページがそのような攻撃を受けるとは夢にも思っていない会社もけっこうありますが、たまたまログインを突破されていないだけで、アクセス解析をすると頻繁に不正ログインの攻撃を受けているのがわかって、非常に驚かれます。

不正ログインはツールのようなものが使われているので、手当たり次第攻撃してきます。これまでいろいろなWordpressの運営に携わってきて、多少なりとも有名になると、まず不正ログインの攻撃を受けますので、セキュリティの強化をしていなければ、すぐにでもセキュリティを強化することをおすすめいたします。

掛け算したホームページにする時の注意点

掛け算したホームページにする時に注意していただきたいのが、掛け算する各要素がハイレベルになればなるほど、トレードオフ(片方を立てれば、もう片方が立たない、二律背反)の関係になる要素が出てきます。

先述した「新規顧客を獲得する目的の場合、デザイン性を上げ過ぎると、ホームページを見ている方の気が散ってしまい、伝わりにくくなってしまう」というのも、デザインとWEBマーケティングが高いレベルでなければトレードオフの影響はありませんが、両方がハイレベルになっていくと、影響が出てきます。わかりやすく数値化すると、デザイン50点・WEBマーケティング50点は可能ですが、デザイン100点・WEBマーケティング100点はできないといった具合です。

また、デザインはWEBマーケティングだけでなく、SEO対策ともトレードオフの関係になりますし、SEO対策とWEBマーケティングもハイレベルになっていくとトレードオフの関係になっていきます。

掛け算をする時は、トレードオフの関係の影響が出ないか調査して、影響を受ける場合は、①優先順位を決めて、どちらを優先するか明確にする②できるだけ影響が小さくなるように工夫をするの2つのことをすると良いでしょう。

あとがき

ただホームページを作るだけなら、それほど難しいことではありませんが、良いホームページとなると、そこからさらに様々な要素を掛け合わせていく必要があります。

良いホームページにするための主な要素をご紹介しましたが、自社のホームページに足りない部分があれば、ぜひ取り入れてみてください。

自社のホームページには、どの要素が不足していくか?どのように掛け算をすればいいか?など、疑問やお悩みがございましたら、お気軽にハルリにご相談ください。