一般的にマーケティングといえば、「いくら売れた」とか、「何人来店した」といった数字の面ばかりがクローズアップされます。
しかし、マーケティングは数字以外の部分も考えて、行わなくてはなりません。

マーケティングといえば、「いかにして数字を伸ばすか?」ばかりで、それ以外のことについてあまり書かれていません。
その一つが「WEBマーケティングと客層の関係」です。

「お客様に対して客層とは何事か」とお叱りを受けるかもしれませんが、私も客層という呼び方はあまり好きではありません。
しかし、より良いマーケティングをしていく上で、避けては通れないテーマだと思いますので、今回はこのテーマについて書きたいと思います。

きちんとマーケティングするだけで数字は伸ばせる

客層の話の前に、マーケティングで一番大切なのは数字です。
いくら客層が変わっても、数字が伸びなければ本末転倒になってしまうので、まずは数字を伸ばす部分をクリアしたいと思います。

ハルリには「数字を伸ばしたい」というご相談も多く寄せられますが、きちんとしたWEBマーケティングを行っていないケースが多いので、きちんとしたマーケティング戦略を策定して、実行するだけで数字を伸ばすことができます。
さらに、数字を伸ばすWEBマーケティング方法は一つではなく、たくさんありますので、まずは数字を伸ばせることを前提として、本題に入りたいと思います。

マーケティングによって客層が変わる

これはプロのコンサルタントが有料でアドバイスしているようなので、あまり詳しく書きませんが、マーケティングによって客層が変わってきます。
これは現実のビジネスのマーケティングで言われていることですが、WEBでも同じです。

客層とは、良い客層だったら、商品やサービスのご案内をしただけで注文していただけたり、リピートしていただけたり、感謝されたりすることが多く、逆に悪い客層だったら、横柄だったり、高圧的だったり、理不尽なクレームを入れられたり、値切られたりすることが多くなります。
この客層が、マーケティングの方法によって変わるのです。
また、客層が悪くてもクレーム率を下げるというマーケティング方法もあります。

私はサラリーマン時代に新規開拓の営業をしていて、おかげさまで私のお客様は良いお客様ばかりで、クレームはありませんでした。
ある日、別の営業マンのお客様数十人とお会いしたら、些細なことで文句を言われるなど、自分のお客様と客層が大きく違いました。
なぜそうなるのかの営業方法についての説明は今回置いておいて、営業マンによってクレーム率が違ったり、営業マンによって些細な問題が大きくなりやすくかったりするのは、営業に関わったことがある方なら、なんとなくご理解いただけると思います。

WEBだと、ハルリをスタートした当初、できるだけ売上を増やすために、多少客層が悪くても取り込むマーケティングをしていて、理不尽な要求されたことも中にはありました。
その後、良くない客層は取り込まないマーケティングに変えたところ、理不尽な要求をされることはほぼなくなっただけでなく、客層も良くなりました。

ここ数年のハルリのお客様は良いお客様ばかりで、おそらく同業他社と比べて、良いお客様に恵まれていると思います。
理不尽な要求への対応がなくなることで、良いサービスをご提供することに集中できるようになり、ご愛顧いただいているお客様にも、そして新規でご依頼いただくお客様にも、より質の高いサービスをご提供できるようになりました。
まさにWIN-WINで、とても良い循環になっています。

客層はマネージメントにも影響する

会社で考えてみると、客層が悪いとクレームが増え、クレーム対応のコストが掛かるだけでなく、クレーム対応をする社員にも影響が出てきます。
クレーム対応はストレスが大きく、クレームが多くなれば、仕事の誇りも持てなくなったり、モチベーションが低下し、離職率の上昇に繋がるなど、マネージメントにも影響します。

逆に客層が良ければ、リピートが増えるため、営業がしやすくなり、営業コストの削減だけでなく、社員の負担も減らすことができます。
お客様から感謝されると、仕事へのやりがいを感じ、社員のモチベーションの向上にも繋がります。

客層を良くするデメリット

ここまで読めば、誰でも「数字が良くて、客層も良いマーケティングがいい」とお考えになると思います。

営業のセオリーで行くと、ここで「ハルリでは数字と客層が良くなるマーケティングをご提供します!ぜひご相談ください!」とクロージングに入るところですが、ハルリではそうしません。
メリットばかりを紹介して、クロージングをした方が成約率が高くなりますが、説明としては不十分で、これでは自分のことだけを考えた営業で、それではお客様から信用をなかなか得られません。
良いことばかりでなく、悪いことも知っていただいた上で、お客様にご判断いただくのが、お客様にとって一番だとハルリでは考えております。

客層を良くするメリットはこれまで書いた通りですが、客層を良くするデメリットもあります。
大きいものは以下の2つです。

数字にこだわったマーケティングができなくなる

客層は一切考えず、数字だけにこだわれば、比較的簡単に効果を出すことができて、かつ高い効果を得られます。

例えば、ダイレクト・レスポンス・マーケティングという反応率が上がるように考えられたマーケティング方法があるのですが、WEBでもこのマーケティング方法を使っているサイトはたくさんあり、成約率を上げることができるので、積極的に勧めているマーケティング会社もあります。

私も昔、自分が管理しているいくつかのサイトで、ダイレクト・レスポンス・マーケティングを実際に使ってみたところ、成約率がかなり上がりました。
最高で、成約率が6%以上(100アクセスあたり6件以上の成約)になり、WEBでは成約率が1%あれば良いとされているので、6%以上というのは非常に高い数字です。

ダイレクト・レスポンス・マーケティングを使えば、誰でもどんな商品でもこれだけの成約率が高くなる訳ではないですが、比較的簡単に成約率を高めることができ、そして高い効果を得ることができる非常に有効なマーケティング法ですが、それと同時に、客層が悪くなりやすい傾向にあります。

ですから、数字と客層の両方を最高にすることはできないということです。
イメージとしては、数字だけにこだわるなら500%アップできるところ、数字と客層を両立すると250%アップになるような形です。

高度なマーケティング戦略が必要になる

客層を良くするもう一つのデメリットは、「数字を伸ばす」と「客層を良くする」の2つを両立させるため、マーケティングが高度になり、そしてその高度なマーケティング戦略を用意しなくてはならなくなるということです。

自社にマーケティングの専門部署があって、高度なマーケティング戦略を策定できるのであれば問題がありませんが、自社で高度なマーケティング戦略を策定できなければ、ホームページ制作会社に依頼をしなくてはなりません。

ホームページ制作会社は、ホームページを作るのが本業であるため、マーケティングのノウハウを持っている会社は少ないですし、またノウハウを持っていたとしても、そこまで高度なマーケティング戦略を策定できるとは限りません。
そのため、まずホームページ制作会社をよく吟味しなくてはいけません。
また、高度なマーケティングを依頼する場合、簡単なマーケティング戦略と比べて時間も掛かるため、コストも上がります。

長期的な視点で、どういったマーケティングが最適か?

客層を良くすることのメリットとデメリットをご紹介いたしました。
「ぜひ客層を意識したマーケティング戦略を導入したい」とお考えになる会社様もあると思いますし、逆にデメリットを大きく感じる会社様もあると思います。

いろいろな会社のマーケティングを見ていると、はじめから客層を意識したマーケティングをしている会社もあります。
また、ハルリもそうですし、他の会社でも、最初は客層を意識しないマーケティングをして、途中から客層を意識したマーケティングにシフトしていっている会社もありますので、今すぐに客層を良くするマーケティングを導入できなくても、長期的な視点でシフトしていけば良いと思います。

この記事を読んで「すぐに客層を意識したマーケティングを導入したい!」と思っていただけたら、ご参考になって嬉しいですし、すぐに導入を考えていなくても、いずれ導入する時にご参考にしていただければ、この記事を書いた甲斐があります。

あとがき

数字以外の部分のことまで考えて、マーケティング戦略を策定すると、より良いものになりますので、少しでも読んでくださった方のご参考になれば幸いです。

ハルリのお客様は、中小企業や個人事業主の方が中心なので、マーケティングが得意ではないお客様も多くて、そういう時はハルリでWEBマーケティング戦略を策定して、ホームページに載せる文章なども作成しております。

その際、ハルリでは数字を伸ばす以外にも、お客様の会社に合わせて今回ご説明した客層や、企業イメージのアップ、長期的な集客、などなど、様々なことを考えて、マーケティング戦略を作っています。

売上や来店などの数字はわかりやすいので、効果が出るとお客様に喜んでいただけるのですが、それ以外の部分の効果については気付いてもらえないことが多いのですが、努力が報われなくても、結果的にお客様のWEBが良くなるのであれば、それでいいと思ってます。

「WEBのこともマーケティングのこともよくわからない」という方でも、お気軽にハルリにご相談ください。